暑熱順化
 今年は早くから熱中症対策を呼び掛けています。
この間テレビで、消防隊員の方が熱中症対策として、防火衣、防火帽、空気呼吸器を装着して消防訓練をしている様子を見ました。早い段階から体を暑さに慣れさすことで、真夏の酷暑での活動に備えているのだそうです。そうすることがより効率的で、安全な活動ができるということでした。
「暑熱順化」とは、徐々に体を暑さに順応させることを言います。
やや熱い環境で、ややきついと感じるウオーキングを毎日30分ぐらい続けることで、2週間もすれば,暑さに順応する体を作ることができるということです。
入浴も大切です。シャワー浴より40℃ぐらいで10分から15分ほどの入浴をしましょう。入浴することで適度な汗をかくことができます。入浴の前後には充分な水分を摂りましょう。入浴剤も皮膚の表面温度を2度ほど上げる事ができるので効果があります。
又、身体が動かせない方、歩けない方は、冷房の効いた涼しい部屋だけで過ごし、汗をかかない生活を送っていてはいけません。急に暑い環境にさらされたときに、体温の調整ができなくなっています。特に高齢者の方や子供さんは、冷房の設定温度を高めにしましょう。朝夕は窓を開け、自然の空気を室内に入れましょう。冷房に依存しすぎない工夫をし、体を暑さに慣れさせることが大切です。椅子に座って手足を動かせる運動も一つの対策です。
 今年も暑そうです。暑熱順化には数週間かかります。今から体を暑さにならす訓練をしておきましょう。
足がつる・・『芍薬甘草湯』について
 夜間、足の趾やふくらはぎがつった御経験はないでしょうか。これは脱水やミネラルバランスの崩れ、糖尿病、また血流障害などが原因と言われています。
夏場、又冬場も寝汗はかきます。体の水分が少なければ筋肉の拘縮をおこします。寝る前にコーヒーなどのカフエインやアルコールを飲むと利尿作用により 足がつりやすい状態をつくることになるのでお勧めしません。
「芍薬甘草湯」という漢方薬を御存じの方も多いと思われます。足がつったとき良く処方される薬です。
これは『芍薬』と『甘草』から構成されています。『芍薬』は、あの“立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花”と美しい女性の立ち振る舞いを花にたとえたことわざに出てくる、あの芍薬の根です。気持ちを落ち着けたり、血流を良くしたり、痛みや筋肉のこわばりを和らげる作用があります。
甘草は 甘草の根です。消炎鎮痛作用があり、神経痛に効果があります。漢方は即効性がないと思っておられる方がいます。しかし、この処方はすぐ効果を発します。お湯に溶かして服用すると速く効きます。他の漢方薬との違いは、一日3袋も飲まないことです。甘草が多く含まれており、低K血症や偽アルドステロン症を起こすことがあります。低K血症では、倦怠感や浮腫、動悸などさまざまな症状がでます。又アルドステロンはナトリウムをため込みます。多量の甘草摂取は、アルドステロンが増加してないのにもかかわらず、あたかもアルドステロンが増加しているような症状(顔や手足のむくみ・脱力感・嘔気など=偽アルドステロン症)になります。
頻繁に足がつる方は、足のつりやすい状態を治すことが大切です。
栄養不足、水分不足の改善や、足を冷やさないよう温める、ミネラルを摂るなどを心掛けてみてください。
ニューノーマル時代の冷え性対策
 謹んで新年のお祝を申し上げます。
 冬、一年の中で一番寒い季節になりました。「冷え」を感じる方には辛い季節です。「冷え」は東洋医学の考え方で、西洋医学にはありません。何かの事情で自律神経が乱れ体温調節が下手になってくると「冷え」を感じやすいのだそうです。
冷えには①手足指先が冷える②下半身が冷える③お腹が冷える④全身の筋肉が冷えると4つに分かれます。①~➂の関しては自分である程度対策することで緩和することができます。
 まずは歩きましょう。身体を動かすことで全身の血流が良くなります。足の血流も良くなります。
気温の下がる夜間に冷えを軽減できるように風呂あがりは足のストレッチをしましょう。
シャワーでなく、浴槽につかりましょう。循環も良くなります。
人参、カボチャ、セロリ、ゴボウ、玉ねぎなどビタミンA・B1・Eをとりましょう。動脈硬化予防になるし、体温上昇、血行促進作用もあります。生姜,根菜類は、体を温める作用もあります。生姜ベースの漢方薬もお勧めです。
 ニューノーマル時代は家に閉じこもりがちです。自分の健康はまずは自分で気が付き管理をする、予防すること。
自身が病気にならないような生活を心掛けましょう。